【ボクサー・格闘家の確定申告ガイド】ファイトマネー・経費・節税を税理士が解説
杉並区高円寺の税理士・W総合会計office(代表税理士:渡邊巧)が、プロボクサー・格闘家・アスリート向けに、ファイトマネーや賞金の確定申告と経費・節税のポイントを解説します。
ファイトマネー、賞金、スポンサー料、ファイトの遠征費、ジムの会費——。プロアスリートのお金の流れは独特で、「これは確定申告が必要?」「トレーニング費用は経費になる?」と迷う方が多いはずです。
この記事では、アスリートの税務に対応してきた税理士の視点から、収入の扱い、経費にできるもの、青色申告での節税、法人設立による上級の節税、最新の税制改正までまとめます。
1. ボクサー・格闘家も確定申告が必要
ジムや団体に所属していても、多くのプロアスリートは「給与所得者」ではなく個人事業主(またはフリーランス)として扱われます。そのため、次のような収入は自分で確定申告する必要があります。
- ファイトマネー・出場料
- 大会の賞金・タイトルマッチの報酬
- スポンサー料・広告契約料
- ファンクラブ収入、イベント・トークショー出演料
- 指導・パーソナルトレーニングの報酬
ファイトマネーや報酬は、支払い時に源泉徴収(所得税の天引き)されていることがあります。この場合、確定申告をすると納め過ぎた税金が還付されるケースも多いため、申告は欠かせません。
ポイント:収入が「事業所得」になるか「雑所得」になるかは、活動の規模や継続性で判断が分かれます。事業所得と認められれば青色申告の節税メリットを受けやすくなります。判断に迷う場合は税理士に相談しましょう。
2. ボクサー・格闘家が経費にできるもの【具体例】
経費は「競技活動・収入を得るために必要な支出」です。アスリートならではの経費には次のようなものがあります。
トレーニング・競技関連
- ジムの会費・練習施設の使用料
- グローブ、バンテージ、マウスピース、ヘッドギアなどの用具
- トレーニングウェア、シューズ(競技用)
- スパーリングパートナー・トレーナー・セコンドへの謝礼
- パーソナルトレーニング・コーチング費用
試合・遠征
- 試合・合宿のための交通費・宿泊費
- 計量・減量にかかる費用(競技に直接必要な範囲)
- 海外遠征の渡航費・ビザ取得費用
コンディショニング・その他
- スポーツマッサージ、整体、リハビリの費用(競技維持のため)
- 試合用コスチューム、入場用衣装
- 名刺・HP・SNS運用・写真撮影などのPR費用
- マネジメント手数料、税理士報酬
グレーゾーンに注意:サプリメントや食事代、私生活と兼用のウェアなどは、「競技に必要」と第三者に説明できることが前提です。プライベートと混ざりやすい支出は、用途のメモと領収書の保管を徹底しましょう。
3. 青色申告で節税する
事業所得として申告できる場合、青色申告で大きな節税が可能です。
- 青色申告特別控除(最大65万円):所得からさらに最大65万円を差し引ける(e-Tax+複式簿記が条件)。
- 赤字の繰り越し(最長3年):収入が不安定な競技活動では特に有効。デビュー初期や減量・ケガで収入が落ちた年の損失を、稼げた年と相殺できる。
- 少額減価償却資産の特例:30万円未満(2026年4月1日以後の取得分は40万円未満に引き上げ)のトレーニング機器などを一括で経費に(年間合計300万円まで)。
引退後を見据えた資産形成や、現役中の収入の波への備えも含め、早い段階で帳簿を整えておくことをおすすめします。
4. さらに上級の節税|会社(法人)を設立して所得を分散する
ファイトマネーに加えてスポンサー料・広告契約・メディア出演・グッズ販売などの収入が増えてきた選手は、個人で全部受け取るよりも、自分の会社(法人)を設立して、広告・PR周りの収入を法人の売上にすることで、トータルの税負担を抑えられるケースがあります。所得が大きくなるほど検討価値が高まる、上級者向けの選択肢です。
① 広告・スポンサー収入を法人売上にする
ファイトマネーは選手個人に紐づく性質が強い一方、スポンサー契約・広告出演・グッズ・YouTube等のPR収入は、マネジメント会社(法人)の売上として受けやすい収入です。これらを法人に移すことで、次の効果が期待できます。
- 個人の所得税は累進課税(最高45%+住民税10%)だが、法人税の実効税率はおおむね一定。所得が一定額を超えると法人のほうが有利になる分岐点が生まれる
- 収入を「個人」と「法人」に分けられるため、ひとつの所得に高い税率が一気にかかるのを避けられる
② 親族を役員にして所得分散
設立した法人で、マネジメントや経理を手伝う配偶者・親などを役員にして役員報酬を支払うと、収入を家族に分散できます。
- 各人の所得が分かれることでより低い税率が適用される
- 役員報酬を受け取る家族にも給与所得控除が使える
- 結果として世帯全体の手取りを増やせる可能性がある
ポイント:役員報酬は実際の職務の実態に見合った金額である必要があります。名前だけの役員に不相応な報酬を出すと否認されるリスクがあるため、設計は税理士と行うことが重要です。
③ その他の法人化メリットと注意点
- メリット:役員退職金の活用、社宅、生命保険などで将来に備えられる。法人は赤字を最長10年繰り越せる(個人は3年)。引退後のセカンドキャリア(ジム経営・指導・タレント活動)の受け皿にもなる。
- 注意点:設立費用・税理士報酬・社会保険料などのランニングコストがかかる。赤字でも法人住民税の均等割(最低でも年7万円程度)が発生する。
法人化が有利になるかは、収入の規模・契約の内容・家族構成・引退後のプランまで含めた総合判断が必要です。スポンサーがつき始めた、収入の柱が複数になってきた——そんな段階で一度シミュレーションをおすすめします。
5. 2025年分(令和7年分)からの改正ポイント
2025年分の確定申告から、基礎控除が48万円から58万円に引き上げられます(合計所得金額が一定以下の場合)。所得が低い層には期間限定の上乗せ措置もあり、条件によって基礎控除が最大95万円となるケースもあります。収入が年によって大きく変わるアスリートにとって、控除の使い方は手取りに直結します。
6. 確定申告をスムーズに進める3つのコツ
- 収入と経費をその都度記録する:複数の団体・スポンサーから入金がある場合、記録が遅れると漏れやすくなります。会計ソフトの活用が便利です。
- 源泉徴収された金額を把握する:支払調書や明細を保管し、還付の取りこぼしを防ぎましょう。
- 収入が増えた年・スポンサーがついた年は税理士へ:申告方法ひとつで税額が大きく変わります。
アスリートの税務は、専門の税理士にお任せください
W総合会計office(東京都杉並区高円寺) は、ボクサー・格闘家をはじめアスリートやフリーランスの税務を数多くサポートしています。
- 確定申告・記帳代行・青色申告のサポート
- 源泉徴収された税金の還付申告
- ファイトマネー・スポンサー料・賞金の税務相談
- 会社(法人)設立による所得分散・節税シミュレーション
- 引退後を見据えた資産形成・節税プランニング
- 高円寺駅・新高円寺駅から徒歩圏内/営業時間 9:00〜20:00(土日祝を除く)
- 香港人スタッフ在籍(広東語・英語対応可)
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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成した一般的な解説です。税制は改正される場合があり、個別の状況により取り扱いが異なります。実際の申告にあたっては税理士にご相談ください。