【飲食店オーナーの確定申告ガイド】経費・消費税・節税のポイントを税理士が解説
杉並区高円寺の税理士・W総合会計office(代表税理士:渡邊巧)が、個人経営の飲食店オーナー向けに確定申告・経費・消費税のポイントをわかりやすく解説します。
食材の仕入れ、アルバイトの給料、家賃、水道光熱費——。飲食店は出ていくお金の種類が多く、「どこまで経費になるの?」「消費税の申告ってどうすれば?」と頭を抱えるオーナーは少なくありません。
この記事では、飲食店の税務に対応してきた税理士の視点から、経費にできるもの、飲食店ならではの消費税(軽減税率・インボイス)の注意点、青色申告での節税、そして最新の税制改正まで実務に沿ってまとめます。
1. 個人経営の飲食店は確定申告が必要
個人でお店を営んでいる場合、1年間の利益(売上−経費)に対して所得税・住民税がかかり、確定申告が必要です。法人化していなくても、個人事業主として毎年の申告が義務になります。
赤字の年でも、青色申告をしていれば損失を翌年以降に繰り越せるなど、申告したほうが有利になるケースがあります。「開業初年度で赤字だから」と申告を見送るのは、もったいない選択になりがちです。
2. 飲食店が経費にできるもの【具体例】
売上原価(仕入れ)
- 食材・食品・飲料の仕入れ代
- 調味料、油、製菓・製パン材料 など
ポイント:期末に残った在庫(棚卸資産)は、その年の経費から除く必要があります。決算時の棚卸しは正確に行いましょう。
人件費
- アルバイト・パート・社員の給料
- まかない費、社会保険料の事業主負担分
- 家族へ支払う給与(青色事業専従者給与として届出が必要)
店舗の運営費
- 店舗の家賃・共益費、駐車場代
- 水道光熱費(ガス・電気・水道)
- 厨房機器・食器・調理器具・備品
- おしぼり・割り箸・容器などの消耗品
- 制服・ユニフォームのクリーニング代
集客・その他
- メニュー表・看板・チラシ・HP・SNS広告の費用
- 食器洗剤・清掃用品、ゴミ処理費用
- 損害保険料、リース料(POSレジ・コーヒーマシン等)
- 借入金の利息、税理士報酬
開業時の費用
開店前にかかった内装工事費・厨房設備・敷金礼金などは、「開業費」や「減価償却資産」として複数年に分けて経費にできるものがあります。開業初年度の申告で大きく差が出るため、領収書はすべて保管しておきましょう。
3. 飲食店ならではの「消費税」の注意点
飲食店は、消費税の扱いで特に注意が必要な業種です。
軽減税率(8%)と標準税率(10%)の区分
- 店内での飲食(イートイン):標準税率 10%
- テイクアウト・出前・宅配の食品:軽減税率 8%
同じ商品でも、店内かテイクアウトかで税率が変わります。レジやメニューでの区分管理が必要です。
インボイス制度と負担軽減措置
インボイス登録をした個人事業主には、消費税の負担を抑える経過措置があります。
- 2割特例(売上にかかる消費税の2割を納税):個人事業主は2026年分の申告(2027年3月)まで適用できます。
- 3割特例:2割特例の後継として、2027年分・2028年分に適用されます(個人事業主が対象)。
- 簡易課税制度:飲食店は原則「第4種事業(みなし仕入率60%)」に区分されます。
どの方法が一番有利かは、お店の仕入れ構成や売上規模によって変わります。選択を誤ると納税額が大きく変わるため、消費税は特に税理士によるシミュレーションをおすすめします(当事務所でも承っています)。
4. 青色申告で節税する
- 青色申告特別控除(最大65万円):利益からさらに最大65万円を差し引ける(e-Tax+複式簿記が条件)。
- 赤字の繰り越し(最長3年):開業初期や設備投資の年の損失を、黒字の年と相殺できる。
- 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)。
- 少額減価償却資産の特例:30万円未満(2026年4月1日以後の取得分は40万円未満に引き上げ)の厨房機器・備品を一括で経費に(年間合計300万円まで)。
5. 2025年分(令和7年分)からの改正ポイント
2025年分の確定申告から、基礎控除が48万円から58万円に引き上げられます(合計所得金額が一定以下の場合)。所得が低い層には期間限定の上乗せ措置もあり、条件によって基礎控除が最大95万円となるケースもあります。控除が増えるぶん、手取りが増える・税負担が軽くなる可能性があります。
6. 確定申告をスムーズに進める3つのコツ
- 売上・仕入れを毎日記録する:日々の売上とレジ締めを習慣にすると、申告期がぐっと楽になります。会計ソフトの活用がおすすめです。
- イートインとテイクアウトの売上を分けて管理する:消費税の区分計算に必要です。
- 消費税は早めに税理士へ相談する:課税方式の選び方ひとつで納税額が変わるため、決算前の相談が効果的です。
飲食店の税務は、専門の税理士にお任せください
W総合会計office(東京都杉並区高円寺) は、飲食店をはじめ個人事業主の税務を数多くサポートしています。
- 確定申告・記帳代行・消費税申告のサポート
- 開業時の届出・資金繰り・節税プランニング
- 軽減税率・インボイス対応のアドバイス
- 高円寺駅・新高円寺駅から徒歩圏内/営業時間 9:00〜20:00(土日祝を除く)
- 香港人スタッフ在籍(広東語・英語対応可)
「経費の範囲が不安」「消費税の申告方法に迷っている」「記帳から申告まで任せたい」——そんな方は、お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成した一般的な解説です。税制は改正される場合があり、個別の状況により取り扱いが異なります。実際の申告にあたっては税理士にご相談ください。