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Gift Tax Basics贈与税は、受け取った人が払う税金
日本の贈与税は、生きている人から財産をもらったときに、もらった人が払う税金です。国や地域によっては、贈与に税金がなかったり、払うのがあげた側だったりしますが、日本では受け取った側の問題になります。
- 1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計から、110万円を差し引いた残りにかかります(暦年課税の基礎控除)。
- 税金がかかる場合は、翌年2月1日から3月15日までに、もらった人が申告します。
日本に住んでいる人は、原則として、国内・国外のどこにある財産をもらっても贈与税の対象です。ただし外国籍の方には、次の章の例外があります。
出典:相続税法1条の4、28条1項、租税特別措置法70条の2の4第1項
Residence Status & 10 Years在留資格と「過去15年で10年」
日本に住む人でも、次の両方に当てはまる人は、相続税法で「一時居住者」とされます。
- 入管法の別表第一の在留資格を持っている
- 贈与の前15年のうち、日本に住所があった期間の合計が10年以下
一時居住者が、海外に住む外国籍の親から財産をもらう場合、日本の贈与税の対象になるのは日本にある財産だけです。海外にある財産をもらっても、日本の贈与税はかかりません。
| 区分 | 主な在留資格 | 海外の財産をもらったとき |
|---|---|---|
| 別表第一 | 技術・人文知識・国際業務、経営・管理、高度専門職、企業内転勤、特定技能、留学、家族滞在 など | 日本に住んだ期間が10年以下なら、日本の贈与税はかからない |
| 別表第二 | 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 | 住んだ年数に関係なく、はじめから対象 |
気をつけたいのは、「10年まで」の扱いは年数だけでなく在留資格でも外れることです。就労ビザで来日して3年目の方でも、永住者や日本人の配偶者等に変わった日から、海外の財産も対象になります。逆に、10年を超えれば、就労ビザのままでも対象になります。
10年の数え方
「過去15年のうち、日本に住所があった期間の合計」で数えます。途中で母国に戻っていた期間があっても、年数はリセットされず、前後の期間を足します。
親の側の条件
このコラムは、親が外国籍で、海外に住んでいる場面を前提にしています。この場合、相続税法の「非居住贈与者」に当たり、上の扱いになります。親が日本に住んでいる場合や、日本国籍を持っていたことがある場合は、判定が変わることがあります。
出典:相続税法1条の3第3項1号(在留資格=出入国管理及び難民認定法別表第一の上欄の在留資格)、1条の4第1項1号ロ・3号、同条3項1号・3号/出入国管理及び難民認定法 別表第一・別表第二
Where the Money Wasお金がどこにあったかで変わる
一時居住者の方にとって大事なのは、もらったお金が「日本にある財産」か「海外にある財産」かです。相続税法は、財産がどこにあるかを次のように決めています。
- 預金は、その預金を受け入れた銀行の営業所の所在地(相続税法10条1項4号)
- 不動産は、その不動産の所在地(同1号)
- 判定は、贈与でその財産を取得した時の状況で行う(同条4項)
| お金の出どころと受け取り方 | 財産の所在 | 日本の贈与税 |
|---|---|---|
| 親の海外の口座 → 子の海外の口座 | 海外 | かからない |
| 親の海外の口座 → 子の日本の口座 | 海外とする考え方が一般的 | かからない(下の注意を参照) |
| 親の日本の口座 → 子の口座 | 日本 | 1年110万円を超えた分にかかる |
| 親名義の日本の不動産を子の名義にする | 日本 | 年数・在留資格に関係なく対象 |
日本の口座で受け取るときの注意
贈与の時期は、書面の契約があれば契約の効力が生じた時、書面がなければ履行の時とされています(相続税法基本通達1の3・1の4共-8)。親の海外の口座から送金する場合、贈与の時点でお金は海外にあるため、海外の財産の贈与とみるのが一般的な考え方です。
ただ、この点を直接扱った国税庁の公表資料はありません。書面の契約がないと、日本の口座に入金された時点で履行が終わったとみて、日本の預金として判断される余地が残ります。確実にするなら、送金の前に贈与契約書を作っておくか、ご自身の海外の口座で受け取るのが安全です。
日本で生まれたお金は、日本の財産
親が日本に持っている不動産の家賃や、その不動産を売った代金など、日本の口座に入っているお金は日本にある財産です。これを子が受け取ると、一時居住者であっても、1年間の合計が110万円を超えた分に贈与税がかかります。親名義の日本の不動産を子の名義に変えるのも、日本にある財産の贈与なので、年数や在留資格に関係なく贈与税の対象です。
出典:相続税法10条1項1号・4号、同条4項、相続税法基本通達1の3・1の4共-8
Living Expenses生活費の仕送りは非課税
親子など扶養義務者の間で、生活費や教育費に充てるために受け取った財産のうち、通常必要と認められるものには、贈与税がかかりません。この扱いは、在留資格や日本に住んだ年数、お金が日本と海外のどちらにあるかに関係なく使えます。
ただし、国税庁は次のように取り扱っています。
- 非課税になるのは、必要な都度、直接生活費や教育費に充てるために受け取ったもの。
- 生活費の名目で受け取っても、預金したり、株式や家屋の購入に充てたりした分は、非課税になりません。数年分をまとめて受け取り、使わずに残っている分も同じです。
- 「通常必要」かどうかは、受け取る人の需要と、あげる人の資力などから判断します。子が居住する賃貸住宅の家賃を親が負担する例では、国税庁は「子が自らの資力によって居住する賃貸住宅の家賃等を負担し得ない」などの事情を勘案するとしています。
つまり、ご自身の給与で生活費がまかなえている方が、毎月決まった額を受け取って貯めていく形は、仕送りとは見られにくいということです。
出典:相続税法21条の3第1項2号、相続税法基本通達1の2-1、21の3-3、21の3-5、21の3-6/国税庁「扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」(平成25年12月)Q1-3、Q5-1
Rent from Parents' Property親名義の日本の不動産の家賃を受け取るとき
海外に住む親が日本にマンションなどを持っていて、その家賃を日本に住む子が受け取る、というご相談もよくあります。この場合、税金は2つの段階に分かれます。
| 段階 | かかる税金 |
|---|---|
| 家賃が入る | 家賃は名義人である親の所得です。海外に住む親は、日本の不動産の家賃について日本で確定申告をします(非居住者の不動産賃貸・確定申告) |
| 家賃を子に渡す | 親から子への贈与です。日本の口座に入った家賃は日本にある財産なので、1年間の合計が110万円を超えた分に、子の贈与税がかかります。生活費としてその都度受け取って使う分は、前の章のとおり非課税です |
家賃を子に回すだけでは、親の所得税はなくなりません。そのうえで子に贈与税がかかると、同じ家賃に親の所得税と子の贈与税の両方がかかる形になります。
出典:所得税法12条、161条1項7号、所得税基本通達12-1、相続税法10条1項4号
Income Tax 5 Years所得税の「5年」との関係
「日本に住んで5年を超えると、海外のお金にも税金がかかる」と聞いて、親からの送金を心配される方がいます。この5年は所得税の区切りで、贈与税の「10年」とは別のものです。
- 日本国籍がなく、過去10年のうち日本に住んでいた期間の合計が5年以下の人は、所得税の「非永住者」です。海外で生じた所得は、日本で支払われたものと、日本に送金されたものだけが課税されます。
- 5年を超えると、海外の利息・配当・家賃なども、送金したかどうかに関係なく所得税の対象になります。
親からもらったお金そのものは所得ではないので、送金を受けても所得税はかかりません。ただし非永住者の方は、その年に海外で利息や配当などの所得があると、海外からの送金額の範囲で、その所得が日本に送金されたものとみなされます。まとまった額を日本に送る年は、海外の所得も合わせて確認しておきます。
出典:所得税法2条1項4号、7条1項1号・2号、所得税法施行令17条4項
Records & Timing記録の残し方と、線を越える前の確認
記録を残す
- 贈与契約書:誰が、誰に、いつ、いくらを、どの口座から贈与するのかを書き、送金の前に作ります。
- 送金の記録:送金元と送金先の口座がわかる明細を保存します。
- 仕送りの記録:生活費として受け取ったお金は、何に使ったかがわかるようにしておきます。
100万円を超える国外からの送金は、受け取った銀行が「国外送金等調書」を税務署に提出します。課税されない贈与であっても、税務署から内容を尋ねられることがあるので、上の記録で説明できるようにしておきます。
10年・在留資格の線を越える前に
一時居住者でなくなると、贈与税だけでなく相続税も変わります。海外に住む親が亡くなって財産を受け継ぐとき、一時居住者なら日本の相続税の対象は日本にある財産だけですが、10年を超えるか別表第二の在留資格に変わると、海外の預金・不動産・株式も日本の相続税の対象になります(相続税はいくらから?)。
- 日本に住んだ年数を、過去15年の合計で数えておく
- 永住許可の申請や、結婚による配偶者ビザへの変更を考えているなら、変わる前に税金の範囲を確認する
- 家族の財産が、どの国にどれだけあるかを大まかに把握しておく
在留資格の申請手続きそのものは行政書士の業務です。当事務所では、税金の範囲の確認を承ります。
出典:相続税法1条の3第1項1号、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律4条1項、同法施行令8条1項
FAQよくある質問
海外の親から送金してもらうと、日本で贈与税はかかりますか?
受け取る人の在留資格と、日本に住んだ年数で変わります。就労・留学・家族滞在などの在留資格で、過去15年のうち日本に住んだ期間の合計が10年以下なら、海外に住む外国籍の親から海外にある財産をもらっても、日本の贈与税はかかりません。永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者の方や、10年を超えた方は、1年間にもらった額が110万円を超えると贈与税の対象になります。
日本の銀行口座で受け取ると、日本の財産をもらったことになりますか?
財産がどこにあるかは、贈与で取得した時の状況で判定します。親の海外の口座から送金された場合、贈与の時点でお金は海外にあるので、海外の財産の贈与とみる考え方が一般的です。ただし、書面の契約がないと贈与の時期は「履行の時」になり、入金された時点の状況で判断される余地が残ります。送金の前に贈与契約書を作っておくか、海外の口座で受け取ると確実です。
親から生活費の仕送りを受けています。贈与税はかかりますか?
親子などの扶養義務者の間で、生活費や教育費に充てるために必要な都度受け取り、そのまま使う分には、贈与税はかかりません。在留資格や年数、お金が日本と海外のどちらにあるかにも関係しません。ただし、受け取ったお金を預金や投資、住宅の購入に回した部分は対象になります。ご自身の収入で生活費がまかなえている場合も、非課税になりにくい点に注意が必要です。
親名義の日本のマンションの家賃を、自分が受け取ってもよいですか?
名義が親のままなら、家賃の所得税は親が日本で申告します。その家賃を子が受け取ると、親から子への贈与になります。日本の口座に入る家賃は日本にある財産なので、在留資格や年数に関係なく、1年間の合計が110万円を超えると贈与税の対象です。生活費としてその都度受け取って使う分は、仕送りと同じく非課税です。
永住許可を申請する予定です。税金の面で気をつけることはありますか?
永住者は入管法の別表第二の在留資格なので、許可された日から、日本に住んだ年数に関係なく、海外にある財産の贈与や相続も日本の課税の対象になります。親からの贈与や家族の財産の整理を考えている場合は、在留資格が変わる前に税金の範囲を確認しておくと安心です。在留資格の手続きそのものは行政書士の業務です。
海外からの送金は、税務署に知られますか?
100万円を超える国外からの送金は、受け取った銀行が「国外送金等調書」を税務署に提出します。課税されない贈与でも、税務署から内容を尋ねられることがあるので、贈与契約書と送金の記録を残しておきます。
Our Support当事務所のサポート
W総合会計officeでは、海外のご家族からの贈与や相続について、在留資格と年数から見た課税の範囲の確認、贈与契約書の作り方、贈与税・相続税の申告までご相談を承っています。最初のご相談から申告書のご確認まで、税理士が自分の手で行っています。ご連絡は、お電話・メール・LINEのどれでもかまいません。まとまったお金を受け取る前、在留資格を変える前の段階でお聞かせください。
※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の取扱いは事実関係により異なります。海外に住む外国籍の親から、日本に住む子が受け取る場面を前提にしています。親が日本に住んでいる場合、日本国籍がある場合、受け取る人が海外に住んでいる場合は、判定が変わります。国外の税金の扱いは、それぞれの国・地域の制度によります。記載内容は2026年9月26日時点の法令によります。
贈与税・相続税の申告をご依頼いただく場合は 相続税・贈与税の申告、給与以外の所得がある方の申告は 確定申告の代行 のページをご覧ください。