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First Steps知らせを受けたら、まず確かめる3つ
- 最後にお願いできる申告はどれか——「いつまで」ではなく「どの申告まで」を聞いてください。3月決算の会社なら5月の申告まで、個人なら来年3月の確定申告まで、という形です。年末調整と、1月に出す法定調書・償却資産の申告をどちらが受け持つかも、ここで決めます。
- 何を預けているか——通帳のコピー、領収書、契約書、定款、昔の帳簿。長いお付き合いほど、何を預けたか分からなくなっています。事務所の側で一覧にしてもらうのが確実です。
- e-Taxの番号を誰が知っているか——申告を税理士がe-Taxで送っている場合、ご自身の利用者識別番号と暗証番号を、ご自身が知らないことがあります。地方税のeLTAXも同じです。
ご自身の判断で税理士を変える場合の時期の選び方や、解約の伝え方は、顧問税理士を変えたいのコラムにまとめています。
Documents受け取っておく書類
| 書類 | なぜ要るか |
|---|---|
| 申告書と決算書の控え(法人税・消費税・地方税。個人は確定申告書と青色申告決算書) | 過去の数字が次の申告の出発点になる。赤字の繰越し、減価償却の残り、消費税の計算のしかたがここから分かる |
| 総勘定元帳 | 決算書の数字の内訳。紙でなく、PDFやCSVのデータでもらえれば足りる |
| 届出書・申請書の控え(税務署・都税事務所・市区町村に出したもの) | 青色申告の承認、消費税の課税方式、源泉所得税の納期の特例、申告期限の延長。出しているかどうかで、申告のしかたが変わる |
| 固定資産台帳 | 減価償却の計算を続けるために要る |
| 給与と年末調整の資料 | 源泉徴収簿、扶養控除等申告書、法定調書の控え |
| e-Tax・eLTAXの番号 | 利用者識別番号と暗証番号、利用者ID |
| 預けている原本 | 通帳、領収書、請求書、契約書、定款、株主総会の議事録など |
| 個人の方:贈与税の申告書と届出書の控え、不動産を買ったときの契約書 | 将来の相続や売却のときに要る。古いものほど、あとから手に入らない |
帳簿や書類を保存する義務は、税理士ではなく、会社や事業主の側にあります。青色申告の法人は7年、赤字を繰り越して使う場合はその赤字が出た年度の分を10年、個人の青色申告は原則7年です。事務所に預けたまま事務所が閉じると、この義務を果たせなくなります。
税理士の側にも、自分の業務について作った帳簿を閉鎖後5年間保存する義務があります(税理士法41条)。ただ、これは税理士の業務の記録であって、お客様の申告書の控えや会計データを事務所がいつまで持っているかは、事務所によります。引退したあとは連絡がつきにくくなることも考えて、閉じる前に受け取っておいてください。
出典:法人税法施行規則59条1項・26条の3第1項/所得税法施行規則63条1項/税理士法41条
If You Have No Copies控えを受け取れなかったときの確かめ方
受け取れなかったものの多くは、税務署かe-Taxで確かめられます。方法は4つあります。
税務署の窓口で閲覧する(申告書等閲覧サービス)
- 分かること:過去に出した申告書、届出書・申請書、申告書に付けて出した決算書
- 条件:納税地の税務署の窓口で申請します。郵送では受け付けていません。書き写すのが原則で、決められた条件に同意すれば写真に撮れます。コピーは原則もらえません。法人は代表者のほか、役員・従業員や税理士が代理で行けます(委任状などが要ります)。
e-Taxのマイページ
- 分かること:個人は、青色か白色か、消費税の簡易課税や課税事業者の届出、贈与税の申告の情報など。法人は、青色か白色か、中間申告の税額など
- 条件:マイナンバーカード、または利用者識別番号と暗証番号
e-Taxのメッセージボックス
- 分かること:e-Taxで送った申告書・申請書(受信通知からダウンロードできます)
- 条件:個人は、マイナンバーカードなどの電子証明書が要ります。
申告書等情報取得サービス
- 分かること:個人の所得税の確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書(直近3年分)
- 条件:マイナンバーカードが要ります。本人だけが使え、代理人や相続人は使えません。申請から数日かかります。
届出書の控えが1枚も無いときは、税務署の窓口での閲覧がいちばん確実です。国税庁は、書類が税務署とは別の場所に保管されていることがあるので、前もって税務署に連絡しておくと手続が早いと案内しています。税務署の窓口の受付時間は、2026年10月1日から原則9時〜15時です。
e-Taxの暗証番号が分からないときは、税務署に変更等の届出を出すと、後日、通知書で知らせてもらえます。利用者識別番号は変わりませんが、暗証番号と、登録してあった電子証明書は消えるので、登録し直します。届くまで日数がかかるので、期限の近い申告は書面で出すことになります。
出典:国税庁タックスアンサーNo.9211「申告書等の確認方法」/国税庁「申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)」と別紙/国税庁「申告書等の情報の取得について」/e-Tax「利用者識別番号や暗証番号を万一忘れてしまったような場合は、どうすればいいですか。」/国税庁「令和8年10月1日からの税務署総合窓口の受付時間について」
e-Tax Settingse-Taxと税務署に残っている「前の税理士」を外す
- e-Taxの「委任関係の登録」——登録したままだと、前の税理士がマイページの情報を見られる状態が続きます。解除は、税理士の側からも、納税者の側からもできます。e-Taxは、契約が終わったら速やかに解除するよう案内しています。
- 税務代理——後任の税理士が、税務署に税務代理権限証書を出します(税理士法30条)。前の税理士への委任が終わったことは、前の税理士が税務署に通知する手続があります。ご本人から知らせることもでき、個人は任意の書面で、法人は異動届出書に書いて出します。
- e-Taxに登録してあるメールアドレス——税務署からの通知を電子で受け取る設定にしていると、通知が届いたときのお知らせは、登録したメールアドレスに届きます。そのアドレスが前の事務所のものになっていないか、確かめてください。通知を電子で受け取る設定のことは、KSK2稼働で変わることのコラムに書いています。
出典:e-Tax「委任関係の登録について」/国税庁「処分通知等の電子交付に係るQ&A」(令和8年9月24日)2-1・3-3/国税庁「H2-2 税務代理権限証書に記載した税務代理の委任が終了した旨の通知書」/税理士法30条
Successor後任の決め方
引退する税理士から、後任の事務所を紹介されることがあります。これまでの事情を直接引き継いでもらえるのは利点です。ただ、次に誰に頼むかは、お客様が決めてかまいません。
決める前に、次の3つを聞いてください。
- 誰が担当するのか——契約する税理士と、実際に数字を見る人が同じかどうか。
- 報酬と、その中に入っている仕事——記帳、年末調整、法定調書、償却資産の申告が入っているか。口頭ではなく、書面でもらいます。
- 今のやり方のままで頼めるか——紙の領収書と通帳のコピーを渡す形、手書きの帳簿。長く続けてきたやり方を変えずに受けてもらえるかどうかは、事務所によって違います。
順番は、後任を先に決めてから、前の事務所に資料をお願いする、です。受け取る書類の一覧を後任に作ってもらうと、漏れがありません。
Sudden Loss急に亡くなった、連絡が取れないとき
- 次に来る期限を確かめる——申告と納付の期限、源泉所得税の納付。期限のあるものから先に手当てします。
- 事務所の職員の方やご家族に連絡する——預けている原本と、申告書の控えを返してもらえるようお願いします。
- 手に入らないものは、税務署とe-Taxで確かめる——上の「控えを受け取れなかったときの確かめ方」の方法です。
- 後任の税理士に、分かっていることと分からないことをそのまま伝える——「届出を出しているか分からない」「去年の申告書が無い」で構いません。分からない所から調べるのが、引き継ぐ側の仕事です。
FAQよくある質問
引退する税理士に紹介された事務所に、そのまま頼まないといけませんか?
いいえ。紹介は受けても受けなくてもかまいません。報酬と仕事の範囲、担当する人を確かめてから決めてください。
事務所が閉じたあと、こちらの情報が外に出る心配はありませんか?
税理士には守秘義務があり、税理士でなくなった後も続きます(税理士法38条)。事務所で働いていた方も同じで、辞めた後も続きます(同54条)。
届出書の控えが1枚もありません。どの届出を出しているか、調べられますか?
調べられます。税務署の窓口で、過去に出した届出書や申請書を閲覧できます。個人の方は、e-Taxのマイページでも、青色申告かどうかや消費税の届出を確かめられます。
e-Taxの暗証番号を知りません。前の税理士に聞かないと分かりませんか?
聞けなくても大丈夫です。税務署に届出を出せば、新しい暗証番号を通知書で知らせてもらえます。利用者識別番号は変わりません。
手書きの帳簿と紙の領収書のままでも、引き継いでもらえますか?
当事務所では、そのままお預かりしています。会計ソフトを新しく覚えていただく必要はありません。
出典:税理士法38条・54条
Our Support当事務所のサポート
W総合会計officeでは、長年の顧問税理士が引退・廃業される場合の引継ぎをお引き受けしています。受け取る書類の一覧づくり、前の事務所にお渡しする依頼文の下書き、控えが無い届出の確認(税務署での閲覧を含みます)、e-Taxの設定の切り替えまで、こちらで進めます。紙の領収書や通帳のままでお預かりしますので、これまでのやり方を変えていただく必要はありません。報酬は、いまの報酬と仕事の範囲をうかがったうえで、内訳を分けた見積書を書面でお出しします。最初のご相談から申告書の確認まで、税理士本人が担当します。ご連絡は、お電話・メール・LINEのどれでも結構です。
※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の取扱いは事実関係により異なります。制度や手続は変わることがあります(記載内容は2026年10月時点)。
引継ぎ後の仕事の範囲と報酬の決め方は、法人は 法人顧問・決算申告、個人の方は 確定申告の代行・記帳代行(丸投げOK)、相続のご相談は 相続税・贈与税申告 のページをご覧ください。